前回、足育を取り入れている園があるというお話をお伝えしました。
新潟県の中で足育を取り入れている3件の幼稚園・保育園・こども園では、足育先生の協力の元、子どもたちのより良い足環境を作っていく取り組みをしているのですが、そうした中で足育先生は、園児たちの保護者の皆さんに『悩み事』をお伺いするようにしています。
すると
- 転びやすい
- 靴を脱ぎたがる
と言った、原因が足である……ということがわかりやすい悩みの他に、
- 我慢ができない
- イライラしがち
- ぼーっとしていることが多い
このような、一見足が関係ないように思われるメンタル的な悩みが結構多く寄せられてきます。
「ぼーっとしていることと、足には関係はないでしょう?」
そう思われる方も多いと思いますが、実は……心と足には深い関わりがあったのです。
目次
子どもというのは元々、我慢や抑制を司る前頭葉の働きがまだ発達しておらず、大人よりもはるかに「我慢」というものができないもの。
また、「イヤイヤ期」というように、親の意見に反対することで「自我を形成する時期」というのもあります。
ですが、「あと少しだけおやつを待とうね」「前におもちゃを買ったから今日はまたにしようね」と言っても、大泣きされて、時は地べたに寝ころび駄々をこねられる……。
そうした我慢の無さは親御さんとしても辛いでしょうし、また、幼稚園などに入ればそうした駄々も通用せず正していかねばならない時が必ず訪れます。
実は、この我慢ができない子……というのはきつい靴を履かされて、足の指がギューっとかぎのような状態になっている場合が多々あります。
ハンマートゥーとも呼ばれるこの状態については、別の記事でも詳しくお伝えしています。
大人でも足の指をギューっと曲げて力を入れていたら、立つこともままならないし、体全体に力が入って頭のてっぺんまで固くなってしまうような気がしませんか?
ただでさえ我慢ということが苦手な子どもに、窮屈な靴を履かせていた場合、リラックスする時間が少なくなってしまい子どもも是が非でも自分の勝手を通したくなってしまう衝動に駆られているのかもしれません。
『我慢ができない』というお悩みと同じような問題で、「イライラしていることが多い」という相談も多く寄せられてきます。
言語中枢がまだしっかりとしていないため、子どもは感情で状態を示そうとするものです。
なので、子どもが不機嫌になるということは、お腹が空いていたり、眠かったり、体調が悪いということもありますが、それと同じように、やはり靴が窮屈であったり、逆に緩すぎて足指をギュッと絞めていないと歩く事すらできないというストレスから、イライラが来ていることもあります。
足に力を入れる=全身に力を入れることとなりますので、その状態が長時間続けば、自律神経も交感神経にシフトしがち。
交感神経は緊張へのシフトなので、少しでも副交感神経、つまりリラックスして過ごせる時が多くなるように、子どもの靴を見直してあげるのもよいでしょう。
イライラしたり、駄々をこねたりする……ということとは逆のように見えますが、ぼーっとしていることの多い子も、親御さんにとっては心配の元。
眠くなってぼーっとしているときなどあくびをするかと思いますが、それは酸欠になった脳が酸素を取り込もうとしている反射的な行動。
つまり、ぼーっとしているとういことは脳へ酸素や、酸素を運ぶ血流が回っていないということなのです。
これは、足が扁平足な子どもに多いのですが、猫背になってしまい、首が前に出て口呼吸になってしまうことから、首や肩の循環が滞ってしまい、脳への酸素が不足してしまうことから起こることがあります。
もちろん、扁平足になるというのも、靴や歩行量の問題ではあるのですが、こうした精神面での問題の多くは、実は足から来ていることが多いということが、お分かりいただけるかと思います。
よく「地に足をつけて考えろ」という言葉を耳にするかもしれません。
- 考え方や行動がしっかりしていて、落ちついている
- 調子が定まっていて、安定している様子
- 物事に集中し冷静な状態
このような状態を指し示す言葉ですが、言い得て妙で、足がしっかりと地面についておらず、かかと体重だったり、歩行量不足で足のバランスの悪い子は「地に足がついていない」ようなフワフワとした子になってしまうことも……。
人は、地面に足をつけてバランス良く、足底筋を使って歩くことで、足から脳へとよいシグナルが送られ、精神的に落ち着いたり、意欲的になったりと、人として良い状態で成長することができます。
靴がきつくて痛かったり、運動不足であったりといった問題から、精神的な不安定が起こる事が多く、イライラしがちであったり、我慢が出来ない子になってしまうというのは先にお伝えしましたが、落ち着かない子というのは総じて足がしっかりと地に着いていないケースがほとんどです。
足元がグラグラしている状態では、思考もままならず、落ち着きだってなくなってしまいます。
そうならないためにも、しっかりと合った靴を履いて、足のバランスが取れた状態でたくさん歩いて、足を育てていくのが重要なのです。
昨年、その前年にも講演をさせていただいた小学校から「今年も」と講演依頼がありました。
前回の訪問から何が変わっているか楽しみにしながら伺うと、児童全員が靴の紐とマジックベルトをキチッと締めていました。
校長先生からは、「問題のある児童に足指の体操を教えたら、足の指が伸びてイライラが無くなり良い子になった」と報告いただきました。
足育先生の講演会では、足の変形が強く問題行動のありそうな子を見つけて、壇上で足のグラつきを体感させています。
問題行動を起こすというのは意思の強さの表れでもあるので、そういう子はグラついて笑われたことに悔しさを覚え、足指の体操をしっかり実践してくれました。
そうするとあっという間に足が安定しグラつかなくなり、自信のある顔になっていきました。
30年前はほとんどの子供の足に変形はありませんでしたが、現代の子どもの70%は足に変形があり、浮き指、外反母趾、内反小趾、屈み指、扁平足、O脚などが急激に増えています。
原因は足の筋力、足指の筋力不足です。
その変形が、悪い姿勢、イライラ、集中力低下、睡眠不足、運動能力に関係している事をご存知の方は少ないのが現状です。
「うちの子は集中力がない」「暴力的」「朝起きられない」etc・・・子どものSOSをしっかり大人が理解し、原因を解消してあげれば、子どもの人生は変えれますので、ぜひ一度「足と関係あるかもしれない」とお気軽に足の専門家に相談してみてください。
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
ぐずり・もたつき・姿勢不良等など。
靴と足のチェックで子育ての悩みも解決できることも。
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