ダウン症候群(※以下記載:ダウン症)といっても、足の特徴は一人ひとり違います。
つまり、一人ひとり足に違う悩みが生じているのです。
足に合う靴を履いてたくさん歩けるように、ダウン症のお子さんの靴選びはどうしたらよいか、足の専門家がお伝えします!!
ダウン症の症状や程度はさまざまですが、足にもダウン症特有の特徴が出てきてしまうものです。
その特徴とは……。
- 足のサイズが小さい(特にかかとが小さくなる傾向が多い)
- 筋肉の緊張が低い(筋緊張低下 ※補足あり)
- 関節が柔らかい(柔らかすぎる)
- 外反扁平足
- 開張足
- 外反母趾
このように、その子その人それぞれ症状は異なるものの、こうした傾向が出ることが多々あります。
筋緊張低下とは、筋肉の張り(筋緊張)がなくなってしまっている状態のこと。
筋緊張は、筋肉を指でつまんだときの硬さ、関節をぶらぶらと揺らしたときの振れ具合、関節を伸ばしたときの可動域で評価されます。
筋肉がマシュマロのように柔らかい、手がだらりと垂れ下がる、カエル足のように足がベタっと床につくなど、筋緊張が低下した場合は特徴的な症状が見られます。
一見「体が柔らかいなんて良い状態ではないか」と思われがちですが、筋肉に適度な緊張がないとバランスを保つことができなくなってしまうので良い状態とは言い難いのです。
ダウン症の場合、歩くときの身体のバランスがとりにくく、例えて言うならば、常に砂の上を歩いているような状態でとても疲れやすいのです。
なので、そのままではどんどん歩行量が減ってしまいます。
また、足が内側へ崩れるような歩き方をしていると、将来、足の骨や関節に異常を引き起こしてしまう可能性があります。
それに、ダウン症のお子さんは歩き始めが遅く、2,3才くらいで歩き始めることが多いと言われています。
かつ足にダウン症特有の特徴が起こることがあり、足のサイズ・かかとが共に小さいため、床につく面積がどうしても狭くなってしまうケースも。
床につく面積が小さいと、その小さな面積で身体全体を支えなくてはならないので、足にはとても大きな負担がかかってしまうのです。
さらに、関節が柔らかく、歩行のバランスをとりにくい場合もあり、そうなるとその負担は更に大きくなります。
そうした負担を少しでも軽減させるためにも、靴は専門家がしっかりと合った物を見極める必要があるのです。
日本のベビーシューズは幅が広いものが多く、かかとが小さい子どもが履くと、靴の中で隙間ができやすくぐらついてしまうため足育的にはオススメできません。
ダウン症のお子さんは通常歩行でも安定性に欠ける場合が多いため、ぐらついてしまう靴では歩行に向いていないからです。
また、靴の中で足がぐらつくと足が靴の壁にぶつかり、それでもそのまま靴を履き続けることによって、足の変形などトラブルにつながってしまいます。
こうした問題点から、私たち足のプロがオススメしたい靴は、ヨーロッパのWMS規格の【一番細めの靴】です。
上の写真をご覧ください。
ヨーロッパの靴は日本の靴に比べ、かかとが細いことがわかるかと思います。
WMS規格とは「Schmal(シュマール・細幅)」「Mittel(ミッテル・中間幅)」「Weit(ヴァイト・広幅)」の3種類の靴の幅から選ぶことができる子ども靴の規格です。
日本ではこういったサイズの統一がないため、足の幅が広い・狭い・かかとが小さいなど、特徴に合わせて自分の足にぴったり合う靴を探すことがとても難しいのです。
一方、靴の先進国ヨーロッパのWMS規格では、幅だけでなく、踵の幅、つま先の高さ、つま先の長さ、ボールジョイントの位置なども規定されているため、ダウン症のお子さんも、自分の足に合う靴を探しやすいのです。
とはいえ、一人ひとり足の状態は全然違いますので、靴のサイズ・靴の型、補正が必要なのか、インソールが必要なのか、整形靴や短下肢装具が必要なのか、そういった点を足の専門家にみてもらい、判断をしてもらうことが重要です。
もちろん、場合によっては医療機関への受診を勧めていますので、そうした点でもご安心いただければと思っています。
正しい姿勢でたくさん歩く事が、足にはとても大切。
補正をしていても、最初は歩く事に時間がかかるかもしれません。
ですが、正しい姿勢で歩く事により、確実にお子さんの歩行量は増えるでしょう。
口コミで広がる足育相談
ありがたいことに、ダウン症のお子さんをもつ親御さんのコミュニティーの中で、足育先生のオススメする靴の評判が口コミで広がっているそうです。
ヨーロッパの靴、特にベビーシューズは取り扱いの店舗が少ないので、私たちはできる限り様々な足のサイズ・特徴のニーズに応えられる種類を取りそろえております。
そして靴以外にも、ダウン症のお子さんの足の相談はとても増えていて、親御さんの「子どもの足への意識」が以前よりももっと高くなってきていることに私たち足の専門家は誇りを感じています。
遠方の方でも、コロナ禍で外出が不安な方でも、オンラインカウンセリングを受けていただくことは可能です。
ダウン症のお子さんは特に、成長の早い段階で、正しい姿勢をとり歩くことが必要ですので、足の状態や、歩き方など、不安に思うことがあれば、いつでもご相談ください!!
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
ぐずり・もたつき・姿勢不良等など。
靴と足のチェックで子育ての悩みも解決できることも。
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