子どもの靴の交換目安と正しい計測方法……知っていますか?

交換タイミング

みなさんは子どもの靴選びにどのくらいの時間をかけていますか?

日本では、子どもの靴を選ぶ時間が、平均的に3分くらいだと言われています。

場合によっては、子どもをつれてこないで、親がデザインや価格で選び、購入した靴を履かせているケースも多々見られます。

しかし、靴の先進国と呼ばれているドイツでは、靴屋さんにはもちろん子どもと一緒に行き、長さや幅の計測はもちろん、今まで履いていた靴の傷み具合や状態などを、専門のスタッフが一緒になって見ながら、30分〜1時間ほどかけて新しい靴を購入しているのです。

日本では靴が衣料品・ファッションの一部と考えられていますが、ドイツでは医学の“医”を使った『医料品』と考えられているので、靴選びの時間だけを見てもこれほどの差が現れてくるのです。

また、「靴は衣料品・ファッションの一部」と考えてしまう靴選びの一番の問題は、景気が悪くなると、靴の購入の第一目的が『節約』になってしまう事。

「どうせ子どもの足は大きくなるから」と長い期間履けるよう、実際の足のサイズよりも2センチ以上も大きいサイズを購入してしまうケースが増えてしまうのです。

子どもが「キツイ」と言わなければOKと考える親御さんも多くいらっしゃいます。

ですがこれはとても良くない考えだったんです。

子どもにとっての2センチは比率的に大人にとっての約3センチ相当

ぶかぶか
このイメージ画像……大げさではありませんよ?

今これを読んでいるお母さんお父さん、あなたの靴のサイズはいくつでしょうか?

22センチ? 26センチ?

子どもの足は当然大人よりも小さく、14センチや、16センチの靴を買うこととなるでしょう。

本来理想的な靴の交換は

  • 足のつま先から、靴の先までの隙間が、5ミリしかなくなったら交換
  • 新しい靴に買い替える際は、足のつま先から靴の先が1~1.5センチの隙間があるものを選ぶこと

が基本です。

ですが、「どうせすぐに大きくなるから」といって、本来15センチの靴を履かせるべきところを、16 センチの靴を履かせたとします。

15センチが16センチ。

一見そんなに違いもないような印象を得ますが、これが大人のサイズ22センチだとしたら、その子は 24 センチの靴を履かされているのです。

大人がもし本来のサイズより、2 センチも上のサイズの靴を履かされたらどうでしょう?

靴の中で足が滑り、ズルズルと引きずって歩くことになり、かかとがカパカパと浮いてしまうので、足先をギュっと縮めて常に緊張した状態で歩くことになりますよね?

これではすぐに疲れて歩きたくもありませんし、イライラしてしまうし、走ったら転んでしまうし、なにより歩くだけで痛くなりますよね。

大人にとっては小さな差に見えても、それは子どもにとっては大きな差になるのです。

子どもの正しい靴のサイズは1センチ大きめ?

メジャー
子どもの成長は早いのですが……

靴のサイズ選びには大切な基準があります。

3歳以上の子どもは、足のつま先から靴の先が1〜1.2センチ大きい靴を履き、5ミリをきったところで次の靴に交換する。

その交換のタイミングが約半年です。

問題なのは、“前回の靴が17センチだから次は17.5センチを購入すればいいかな?”という「0.5センチ刻みで購入し続ければ間違いないな」という考え方が多い事。

子どもの足の成長は、3歳以降、1年で約1センチ伸びます。

だいたい、3月から9月の春から夏場に半年で2/3(約0.6センチ)伸び、その後の秋から冬場に半年で1/3(約0.4センチ)伸びると言われています。

もちろん例外もあり、急に伸びたり、全く伸びていない期間がある場合もあります。

ですので、靴選びの際は、毎回靴の中敷きの上に足をのせ、足のつま先から靴の先が1〜1.2センチ空いているかを必ず確認するのが鉄則

もちろん、シューフィッターと呼ばれる足の専門家に測ってもらうことがベストですが、お父さん・お母さんが子どもの靴を測る場合は、子どもの足を中敷きの上に乗せ、足のつま先と靴の先に大人の小指1本分の隙間があれば足の長さのサイズはOKです。

指一本分
小指1本分がミソ

ただし、それでも正確性には欠けますし、横幅・高さは測れません。

小指での計り方は目安として考えておきましょう。

たまに、靴屋さんで靴のかかとに指を差し込んで「ゆるい」「きつい」を確認している親御さんも見ますが、そもそも靴のかかとに隙間があることはNGです。

かかとはしっかりと靴と合っていた方が良いので、これだけは間違えない様にしましょう。

ベビーシューズは1センチ大きめでも大丈夫??

ベビーシューズ
難しい時専門家に相談!!

シューフィッターの中で、“ベビーシューズは約7ミリあけましょう”と言われています。

ただ、『足のつま先から靴の先が約7ミリ大きい靴』を探すことは、なかなか難しく、また分かりにくいと思いますので、日本のベビーシューズの場合は、足のつま先から靴の先が約7ミリ〜1センチ大きい靴と考えて選んでいただくのが良いでしょう。

ただし、ヨーロッパの靴に関しては、中敷きに始まりの線と交換線が書かれていますので、1センチという考え方は当てはまりません。

中敷きのガイドに合わせて購入することをオススメ致します。

ファーストシューズ選びが正しくできている赤ちゃんは、足が靴によって支えられているので、正しい歩き方になりやすくなります。

正しい靴選びをすることによって、将来「転びやすい」「疲れやすい」という、足の変形からくるトラブルなども防ぐことができるでしょう。

「このくらいのサイズかな…?」などと、きちんと計測しないで選び購入することは絶対にNGです。

足育先生
足育先生

できればシューフィッターのいるお店できちんと足を計測してもらいましょうね。

『幅』と『甲の高さ』にも注意が必要

子ども靴
足のサイズは縦も横もあります

ヨーロッパにはWMS規格という、靴のサイズを「W=幅広」「M=普通幅」「S=細幅」の3つの種類から選べるよう考えられたWMS規格というものが存在するほど、靴のサイズに細やかな配慮をする文化があります。

この幅の選択肢は、ファーストシューズの時点からあり、子どもの足に、よりフィットしたものを購入することができます。

一方で、日本では、子どもの靴は横幅のサイズに関してあまり細かな設定がされていません。

日本の子ども靴は、横幅で選ぶことが難しこともあり、足育先生のオンラインカウンセリングで一番多い相談が、“足の幅が広い子ども”の足と靴の悩みだったりすることです。

そして、甲の高さについては、足が靴に固定できることが大切です。

紐やマジックの靴であれば、足育先生がオススメしている靴の履き方「かかとトントンギュー」で最後にしっかりと締めることにより、甲の高さと靴を合わせる調整が可能です。

スリッポンや、内履きに多い甲がゴムタイプの靴だと、調整ができないため、甲の高さが合わない場合があります。

足と靴の甲の部分がぴたっとしていないと、靴の中で前滑りがとても起こりやすいので、紐やマジックの靴で無い場合は、甲の高さがピッタリあうものを履くことが重要です。

足と靴の幅を合わせ、甲の高さを調整することができると、かかとから降りて指で蹴るという正しい歩き方ができるようになるのです。

もそうですが、「合わなくなってきたな」と感じたときにその都度調整し、足と靴を良い状態に保つようにしましょう。

もし、こうした交換タイミングを考えたり、サイズをしっかりと測ることが難しい……そう思った時は、やはり一番正確で簡単な「専門家に相談する」というのがベストでしょう。

大きめの靴を購入した場合、中敷きで調整してもいい?

中敷き
中敷きで調節はどうでしょうか?

まず、大前提として、自分の足のサイズにあった靴を購入していただきたいのですが、学校の指定靴の場合など、1センチ刻みでしか靴が作られていないと、実際のサイズよりも、1.2センチ以上大きめの靴を購入せざるを得ないことがあるかと思います。

あまりオススメはできませんが、実際のサイズよりも、1.2センチ以上大きめの靴の場合、約2〜3ミリならば、中敷きである程度調整をすることが可能です。

ブカブカの靴を履いて、すり足になったり、靴の中で足が滑ったりするよりかは、中敷きで調整するほうが良いでしょう。

ただし、2センチ以上大きいサイズの場合は中敷きでの調整はできませんので、「中敷きで調整すればいいか」で大きめを購入することはやめましょう。

また、今までスニーカーのみ履いていた子どもが、進学などで初めてローファーを履く場合、足裏がいたくなったり、なかなか足にフィットしにくく、かかと脱げや、安定感がなかったりと、悩むケースがあります。

足に合わない状態のローファーを履きつづけると、足が疲れやすくなったり、姿勢バランスも崩れやすくなったりします。

そういった場合は、調整用の中敷きをいれたり、インソールを変えたりするだけで、歩きやすく、疲れにくい状態をサポートすることができます。

ただし、“中敷きを替えれば良い”ということではなく、調整用中敷きの『厚み』をその子の足に合わせ1足1足調整しなくてはなりませんので、こちらに関しましても、シューフィッターに相談することをオススメします。

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