日本に靴が出回るようになったのは、江戸時代末期から明治時代の初期の頃。
1870年(明治3年)3月15日、東京築地に初めて近代的な靴の工場ができ国内で靴の製造が始まったのが、日本の靴文化の初めとも言えます。
実は、令和生まれの赤ちゃんがいたとして、その子のお母さんが30歳だとすると(平成28年の出産平均年齢より)、その子のお婆ちゃんが大体60歳頃となり、その子の曾お婆ちゃんが90歳。
参考⇒リセマム『初婚の平均年齢や出生率、H30年版「少子化社会対策白書」公表』
今から90年前は満州事変などが起こっていた時代で、ようやく家に電気やガス、水道などが引かれるようになった頃。
世界恐慌が起こり、第二次世界大戦までカウントダウンが始まっていたため、当然、お金持ちの家やハイカラな若者たちはよそ行き用の靴を履いてはいたものの、基本的に市民の日常使いの履物は下駄や草履でした。
つまり、令和生まれの赤ちゃんですら曾祖父祖母まで戻ると、もう下駄・草履の時代になってしまうほど、日本の靴文化は短いのです。
そう考えると、正しい靴の履き方や、足育といった物に関して、まだまだ日本人が『疎い』のは当然かもしれませんが、そうした中、靴が出回った当初の頃の今の80~90年代のおじいちゃんおばあちゃん世代や、もう一つ下の、50~60代の紳士淑女の世代は以外にも今の子どもたちよりも、足の変形率が少ないといわれています。
靴の種類も幅も、バリエーションももっともっと今よりも少なかった時代。
それらのに、なぜ、彼らの足の変形率は少ないのでしょうか?
一昔前、遊びと言えば、鬼ごっこやかくれんぼ、野畑を走り回って色々な虫を捕まえたり、木に登ったり……と、外で駆け回るようなことばかりでした。
時には、子どもたちは裸足になって砂浜や河原を歩いたり、大人物の下駄・草履で一生懸命歩いて買い物をしたり。
ともかく足を使わないと何もできない時代でしたので、必然的に自然に足に筋力が付いていきました。
そうすると、多少合わない靴を履いていたところで、本来あるべき場所の筋肉が発達していくので骨格が靴に押されて負けるようなこともなく、足が成長することができたのです。
これは、現代でも例えばプロのサッカー選手が幼児期からサッカーを始め、足の筋力が発達しているとサッカースパイクという、きつくて形も少々特殊で足に良くない靴を履いていても、足の変形が少ないということにも繋がっていきます。
「筋肉はすべてを解決する」
これは、ボディビルダー界では有名な言葉ですが、実際に、昔の人はよく歩いていたため筋力があり、そのため、ある程度の足の変形を防ぐことができたのです。
もちろん、若いころは多少窮屈な靴を履いていても平気だった方が、高齢になり歩かなくなってから外反母趾になったり、足・ひざ・腰を傷めてしまうのは、筋力が衰えてしまい骨格(骨)が変形していってしまうため。
あの世界最高齢のエベレスト登山者、三浦雄一郎さんも、定年後メタボになってしまい、膝痛・腰痛に悩まされていたそうですが、エベレストに登るためにトレーニングをして、少しずつ歩いて重りをつけて散歩をするまでになったころには、脚のトラブルも一切なくなったというので、やはり運動、筋力は大切なものなのです。
現代では、公園へ来てもベンチに座って携帯ゲームで遊んだり、みんなでマクドナルドへ行ってYouTubeを観たりと、子どもの運動の機会が大きく減っています。
また、コロナの影響により、ますます外に出て遊ぶ子どもたちが減った気がします。
また、時代的にも子どもが外で駆け回っていたら「うるさい」「危ない」と怒られたり、犯罪もあるためそもそも子どもを外で一人で遊びに行かせるわけにもいきません。
子どもの運動機会の少なくなった現代では、子どもの足の筋力も低下し、靴によって足が変形しやすくなってしまうのです。
そうならないためにも、子どもの足にしっかりと合った靴選びはもちろん、歩行量・運動量の確保を親御さんが確保していくのが大切なのです。
受験勉強などで一旦運動量が減ったとしても、大人になってからスポーツを始めようとした歳に、靴に足が耐えきれるくらいの筋力は維持しておきたいもの。
そのためにも、10年20年先を見据えて、小さな子どものうちからしっかり歩かせて、基本的な筋力はつけていってあげるようにしましょう。
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
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