足育は親から子へ 運動神経は遺伝ではなかった!?

親子の運動神経

スポーツを子どもの頃から習わせている親御さんはもちろん。

どんな親御さんでも運動会やお友達とのお遊びでの駆けっこで、自分の子どもの足が遅いと少し心配になったり、がっかりしてしてしまうことってありますよね?

ですが、実は「足の遅い子ども」というのは、本当はいないのです。

ただその子は「足の使い方を知らなかっただけ」なのです!!

足育を広めていく中で「スポーツをしている親の子どもは、やはり運動が好きな子、上手な子が多い」と気が付かされること多々あります。

これは、「単に運動神経が良い親から生まれたから、遺伝的に運動神経がよいのでは?」なんて簡単な物ではありません。

親から子へ足育を伝える。

これが、私たちが目指しているものなのです。

運動能力はDNAだけが原因ではありません

原始人
古来からの遺伝子つまり私たち本来の遺伝子とも言えます

「うちの子、足が遅くて……。私も運動が得意じゃないので、似たのかもしれません」

「うちは夫婦そろってインドア派なんで、子どももあまり歩くのが好きじゃなさそうなんです」

子どもの足育相談を受ける中で、こうしたことを聞くことがしばしばあります。

子どもさんがあまり歩きたがらなかったり、小学校の運動会でビリになってしまうほど運動能力に自信がなかったり……。

こうした問題を自分たちの遺伝のせいだと思っている親御さんがとても多いのですが、実は違います。

元々私たちは太古の昔から、マンモスなど猛獣を狩ったり、野山を駆け巡って木の実を集めたりしてきた、いわば「火を扱える獣」でした。

もし、運動神経が悪かったら……?

狩りはできず、木の実は集まらず、あっという間に餓死してしまうでしょう。

つまり、私たちのDNAにはそれだけのことをできる、運動能力が秘められているのです。

ですが、時代が進み、座り仕事が主となり、移動は車、外遊びは危ないからだめ、家の中で座ったままでできるゲームや動画の方が楽しいなど、どんどん「動く」機会が減ってしまい、その結果、「歩くため」「走るため」に備わっている部位である足に問題が生じるようになってしまったのです。

実際、自信が「インドア派」「運動が苦手」という親御さんの話を聞くと、あまり子どもと外で遊んだりもしていなかったり、靴についても「履ければいいや」という感覚であったりすることがあり、「親が運動が苦手だという環境が、子どもの運動能力を抑えてしまっている」というケースがほとんどでした。

足育の重要性を知らず知らずのうちに理解している親の場合……

親子
親が運動神経が良いと子どもも良いと言われる理由がコレ!!

自分がスポーツを熱心にしていた場合、1分1秒が大切だということと共に、靴によってそのパフォーマンスが大きく変わるということも、誰に言われたわけでもなく気が付かされることがあるでしょう。

これは親になったとしても同じで、スポーツをしていた親御さんは、総じて靴によってパフォーマンスが変わるということを理解していることが多いのです。

これが「足育」につながっているということを知らなかったとしても、そうした親御さんたちは、自分たちの子どもの足にも気を配るようになり、運動をさせるということはもちろん、足育に適した靴を選んだり、定期的に靴を買い替えるということを自然と行っているのです。

つまり、足が遅いのはその子のせいではなく、親御さんの遺伝のせいではなく、親御さんの「間違った靴選び」をが原因。

足が遅い……それは、足の使い方が上手くできていない、足の使い方を体が分かっていないということなのです。

もちろん、オリンピック選手になるような人たちはそこに輪をかけて筋力や持久力、上手な足の使い方の上を行く「速く走る方法」を模索していってあのような俊足を得ているのですが、それでなくてもどんな子どもも、「足先でしっかり地面を蹴り出し、かかとから3点アーチのバネを使って再び足先に力を溜めて蹴り出す」という足の使い方さえわかっていれば、ある程度の足の速さは生み出せるものなのです。

ですが、「すぐに大きくなるから」と大きな靴を与えられた子どもは、ぶかぶかな靴が脱げないように擦り足になって歩く方法しか身に付かず、蹴り出す力、歩く方法、走る力が欠如してしまいます。

また、大きな靴を履かされた場合、靴が落ちないよう本能的に指を屈めていることが多く、そうなると足に力が入らないためジャンプする力も無くなってしまうのです。

走り方がわからない。ジャンプもできない……これでは、短距離も長距離も、跳び箱だって幅跳びだって上手にできるわけがありません。

もう少し足に目を向けよう

走る子供
運動することと正しい靴を履くことは同じくらい大切

このように、足の遅い、運動神経が悪い……なんてことは子どものせいでは決してありません。

本来、子どもの靴は3歳を越えたら半年に1回。それより前の幼児は3か月に1回は交換することを推奨されています。

3か月や半年に1度靴を変えていくのはもしかすると少し経済的に厳しいかもしれません。

確かに、統計的にも景気が悪くなると足の遅い子どもが増えるとう傾向が見られます。

それは、景気が悪くなると「どうせすぐダメにしちゃうんだから」と大きな靴を買い与えて、1年、酷いと2年以上同じ靴を履かせてしまうご家庭が増えてしまうから。

悲しいことに2年以上靴を変えてもらえなかった子どもさんの足は痛々しく変形してしまい、もちろん、満足に走ったり飛んだりも難しい状態。

また、ぶかぶかの状態から始めて、ちょうど良いサイズになった頃には靴が傷んで、足を保護する機能が低下している状態。

そして足指が伸びても靴の中で窮屈になってしまい、足が常に「怒っている」状態(ぎゅっと、指がかぎ爪のように丸まっている状態)になってしまい、精神的にも集中力がなくなったり落ちつきがなくなったりしてしまうのです。

これでは、ちゃんと足を使うことすらできなくなります。

ですが、子どもはこの先60年、70年と生きていく大切な存在。

もちろん、足の縦幅だけではなく横幅も確認し、その子に合った靴を履かせ続けることで、ひょっとしたら未来のスプリンターになれる可能性や、ダンスで世界一に慣れる可能性、いつかのオリンピックで金メダルを取る可能性をも広げることができるのです。

ほんの少し何かを節約して、足に合った靴を履かせていくことをおすすめします。

子どももいつしか気をつけるように……

親子の靴
運動神経は親御さんの遺伝のせいではなく靴への知識関心の問題でした

このように、靴や足を見ることによって、足の問題点、運動の問題点はだいたいわかるはずなのですが、それは親御さんが足の知識が多少なりともあることが前提。

もし、わからない場合や、困っている場合は、すぐに足の専門家に足の状態を見せて、正しい靴を選んで、正しく履かせて、そして、たくさん歩かせて基礎的な筋力をつけてあげることが一番でしょう。

子どもは柔軟性があり、歩かせたり、元気に遊ばせてあげるだけでも、すぐに運動神経が発達していきます。

足育先生
足育先生

もしかすると、あっという間に、親が想像していたよりも優れた運動能力を見せてくれるかもしれません。

また、親御さんはそれが足育ということを知らなかったとしても、小さなうちから足育を受けて育った子どもは、靴感覚が良くなり、合わない靴を本能的に「これはキツイ」「これはゆるい」と感じられるようになります。

また、靴感覚だけではなく、成長してからも自分でしっかり靴を履ける(正しい靴の履き方をわかっている)、合う靴に履き替える等の足へのケアの方法を手に入れることができるため、スポーツを続けていく上で、よいパフォーマンスを出せるようになっていくのです。

そうして、その子が成長した時に、また自分の子どもに足育を行い……と、足育は脈々と受け継がれていくのです。

それが成功しているのがドイツなどの足育先進国。

親が運動神経がいいから子どもの運動神経が良い……というだけのものではなく、足育も子どもの運動能力を伸ばしていく一端を担っているということも、重要なポイントだったのです。

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