ヨーロッパ、特に靴の先進国ドイツと日本では、靴の文化は約100年以上も違うと言われています。
家の中でも靴を脱がないケースが多いという文化の違いがありますが、これだけの差があれば、靴に対しての認識の差も大きく、販売されている靴の形や種類にも影響が出ています。
今回は、ベビーシューズに着目しつつ、日本と、靴の先進国ヨーロッパの違いについてお話したいと思います。
目次
日本のベビーシューズは、写真を見ての通り、ずんぐりむっくりした形が主流です。
コロッとして子どもらしく、かわいく見えますが、これは靴の『横幅』というものを考えていない形なんですね。
『ずんぐりむっくりした靴=誰でも入る横幅の広めの靴』ということ。
足幅がある子は良いのですが、こればかりが売られていては、足幅が普通、あるいは細めの子は、日本のベビーシューズでは横幅がスカスカになってしまいます。
そうなると足が固定されず、歩行の際に足が靴の中で動いてしまうため、歩行が安定しません。
また、足が常に靴の中で靴の壁にぶつかってしまうと、変形を起こしてしまう可能性もあります。
日本では『軽い靴は足に良い靴』と考えるケースが多いようですが、軽い靴の場合軽い素材を選ぶため、靴の耐久性が低くなりがち。
靴底がアスファルトで削れ、傾いてしまったり、長時間の歩行で靴が歪んだりしやすいので、そういった靴では、靴本来の『足を守る』という目的が果たされにくくなってしまいます。
一方、ヨーロッパのベビーシューズはどうかというと……。
ヨーロッパの靴は履き口が狭く、タイトな作りをしています。
履き口が狭い靴は、脱ぎ履きがしにくいのですが、赤ちゃんの歩行を安定させることができるのです。
ベビーシューズが脱ぎ履きしにくいと、出かける際、帰宅の際、毎回しっかり靴の口を広げ、足を入れたり出したりしなくてはならないので、親御さんは少々大変かもしれませんが、ヨーロッパには『足を靴に固定させ、安定した歩行をする』という考えが根底にあるのです。
日本のベビーシューズに比べ、タイトな作りをしているため、カカトがしっかりとフィットして、グラグラしやすい足を固定してくれるんですね。
一度履いたらあまり脱ぎ履きしないという生活習慣の違いと、「赤ちゃんの足は柔らかくてグラグラしているので、固定させて歩行を安定させなくてはいけない」という意識の違いから紐でしっかりと結ぶ大人が多いのが、ヨーロッパ。
もちろん、小さな子に紐を結ばせるのは難しいのですが、そういった場合ではマジックで留めるという方法もあります。
ですので、足育先生も子どもの靴はしっかりとマジック2本で留められる靴をオススメしているのです。
日本はその技術の高さから、同じものでも軽く、小型化するのが得意です。
そうした考えか靴にも及んでいるのでしょうか、靴も軽ければ軽いほど良いと考える方が多く、子どもの靴もとても軽くできています。
ですが、EVAなどのスポンジ系の素材を底に使っている靴ですと、アスファルトに削れやすかったり、傾きやすかったりします。
もちろん、重すぎても脚が疲れてしまいますし良くないのですが、しっかりと安定した底材でできており、滑りにくいことを前提とした、適度な重さがあるものがオススメです。
特に3歳くらいまでは成長と共に、3~4ヶ月に1度靴の交換が必要となってきますので、その間履いていても守られる靴であることが重要です。
靴に求めているものは足の保護や、安定させてくれること。
ですが、もし靴が全体的に柔らかかったら……?
クニャクニャとしてしまったら、脚の安定ができず、歩いていると疲れてしまいますよね。
ですが、かかと部分など、足を支えるポイントとなる部分が固ければ、それだけ足支えが良くなり、歩きやすくなったり、バランスが良くなったりします。
ヨーロッパの靴の場合、固いといっても、曲がるべき所は曲がりやすい作りになっており、足を支えるポイントとなる部分だけがしっかりと固く作られています。
重さ・固さがあることで、足支えが良く、歩きやすく、バランスが取りやすくなりますので、このような靴が良い足育をスタートするのに最適なんですね。
これは②の紐でしっかり留められるという事と重複してしまいますが、日本は家に上がるときは靴を脱ぎ、施設などでも靴を脱いで素足で上がるような場所が多くあります。
衛生的でとてもよいのですが、一方で、よく靴を脱ぎ履きをするため、日本の靴は基本的に履き口が大きく、紐で結ばないような脱ぎ履きしやすい靴がとても多いのです。
ですが、そうなると足が靴の中で動いてしまうため、どうしても歩行が乱れやすくなります。
また、正しく靴を履く時に「かかとトントン ギュ」をしても、脱ぎ履きしやすい状態だと子どもが勝手にマジックを剥がして緩ませてしまったり、正しい靴の履き方の意識がしにくいというデメリットもあります。
- 紐でしっかりととめることができる
- 全体的にスリムで足の横幅に合わせて支えやすい
- ある程度の重さがある
- ある程度の固さがある
- 脱ぎ履きがしにくい
同じファーストシューズ・ベビーシューズでもこんなに違う、ヨーロッパと日本の靴。
もちろん日本のシューズは、日本の環境や文化に合わせて作られているので、利便性や必要性はあるかもしれませんが、足育のためを考えるとヨーロッパのものの方がおすすめ。
手に入りにくく、値段が張る(日本のベビーシューズの3倍くらいの価格)という難点はありますが、この先80年以上生きる子どもを支え続ける足のことを考えると、価値のある先行投資になるのではないでしょうか。
それに、3歳くらいまでは、3〜4ヶ月に1度靴の交換が必要となってきますので、その期間、たくさん履いて歩行を楽しめるよう、頑丈な作りになっていることも、足育先生がヨーロッパの靴をオススメする理由です。
すぐに壊れてダメになる靴を何足も購入するより、少し高くても丈夫な靴を履いて元気に遊んでもらった方が良いかと思います!
ヨーロッパの靴、特にベビーシューズは、中々取り扱いしている店舗が少ないかもしれません。
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子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
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