足の専門家である私たちは、子どもの足だけではなく、プロのスポーツ選手の足もたくさん見ています。
普通の方よりもはるかに多く足を使っている、スポーツ選手たちの足を見ると、動きの「クセ」というのがわかります。
あと一歩、上位の成績に食い込めない方たちに「ここをこうする癖があるようですので、こうしてみてはいかがでしょうか?」というアドバイスをすると、「どうしてクセまでわかるのですか!?」と驚かれることが多々あります。
逆に
- パフォーマンスが前より悪くなってきている
- 気持ちよくジャンプできない
- 試合成績が伸び悩んでる
- 転ぶことが増えてきている
こうした問題を自覚して相談しにくるお客様もいます。
相談を受けて足を見ると……「ああやっぱり」と気がつくクセも沢山あります。
今回はそんな、足からわかるクセやスポーツ時の問題についての話をお伝えしましょう。
目次
先日、あと一歩のところでなかなか上位に食い込めない、バドミントンをやっているお子さんが来ました。
立った状態では問題ないけれども、一歩横に動いてフォア側のスマッシュを打つ時に、ちょっとバランスが崩れがちではないかな?
この足育先生の言葉を聞いて驚いたのはその子。
「コーチにはよく言われるのですが、どうしてわかったのですか!?」と、その子は言うのですが、足育先生は「足がその状態になっているからねー」とさらりと答えていました。
足を見ると、その子は右足の小指が浮いてたため右重心になった時、足指の踏ん張りが浮いてしまった小指分が効かなくなってしまっていたのです。
もちろん、それだけの問題ではないのですが、そうしたことが足から分かれば、あとは「こうすれば大丈夫」というのがわかりやすいので、改善が楽になります。
このバドミントンをしていた子のように、日本人には小指が曲がっている人が多く、大体見てきた中で9割は小指に大なり小なりの変形があります。
これは、日本の靴、特に日本の子ども靴は横幅のサイズが選べないことがほとんどで、幅の狭い靴を履いているケースが多く、一番力の弱い小指が曲がりやすいから。
もちろん、多少小指が曲がっていても日常生活では問題を感じる事は少ないのですが、微妙な差が大きな差につながるスポーツ選手の場合、どうしてもこうした違いが成績に影響を及ぼしてしまうのです。
スポーツによっては、足先で立つもの、後ろ体重がポイントとなるものなど、重心の場所は色々ですが、基本的にスポーツをする上で大切なのはバランス。
そのバランスを良い状態にさせるのは、普段は足裏全体で立てる状態なのです。
足裏全体で立てるということは、運動の基礎となる体の使い方を知っている、筋力バランスが整っているということ。
家で言う基礎や土台である足裏全体で立てるということは、それだけバランスよく体を支えることができるということなのです。
つまり、スポーツをする上で足と言うのは基礎の基礎。
もし、不調を感じた場合、その不調の原因が足から来ているケースが多いのです。
ですので、もし「怪我が多いな」「パフォーマンスが出にくいな」と感じた場合、足、靴の見直しをすることがオススメなのです。
小さいうちからスポーツをしている子は、ある程度の基礎は出来ているはず。
それなのに、ちょっと不調を感じる……という場合は、靴が合わなくなっているケースが多々あります。
- 靴が古くなって保護の機能がなくなってきていないか。
- サイズが合わなくなっていないか。
- 靴底がすり減っていないか。
こうした点を確認してみましょう。
また、靴紐はとても大切なポイント。
これはまた別の記事で詳しく書いていますが、スポーツをしている人には靴ひもを定期的に交換することをお勧めしています。
意外と「靴が調子悪いな」と思ったときは、靴紐が伸びていることがありますので、靴に問題がない場合は、靴紐を交換してみるのも良いでしょう。
私たちのところに来てくださる相談者の中でも、何かのスポーツで日本一になった子などは、文句の付け所のないきれいな状態の足であることがほとんどです。
他のプロスポーツ選手も、足育先生の元を訪れて、右足に踏ん張りが効きにくいという相談をしたのですが、見ると右の足指が幾本か浮いており、「これでは踏ん張りが効きにくいでしょう」と、インソールやサポーターや足指の運動を勧め、プロという立場からでしょう、たった1週間で理想的な足指の状態にした方もいます。
もちろん、一度良くなったからと言って足指の運動を怠ったり、適当なシューズを履いたらまた元に戻ってしまうのですが、やはり、スポーツで食べていく、スポーツで1位を取るという気持ちがある場合、足は良い状態であることが大切なのです。
もし、将来スポーツをさせる可能性があったとしたら。
いいえ、なかったとしても、お子さんには小さなうちから足育を心がけていった方が良い……というのは、こうした部分もあるのです。
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
ぐずり・もたつき・姿勢不良等など。
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