昔から日本の靴には耐久性がない……つまり、へたりやすい、支えが弱い……と言われることが多い気がしませんか?
確かに、今どきはしっかりとした足首を支えられる靴も増えてきましたが、それは山登り用だったり、アウトドア用だったりすることがほとんど。
やはり一般的に履き口が広く、底の部分も薄くて、軽いけどもろいタイプの靴が日本では多く売られている気がしますよね。
それにはこうした理由があるのです……。
日本では『靴に対する認識が甘いところ』があります。
それが原因の一つでもあるのですが、日本で好まれる靴は、”軽い” ”柔らかい” ”脱ぎ履きしやすい”靴です。
これには理由があり、まず土足文化ではない日本では、脱ぎ履きしやすくないと屋外←→屋内の移動が不便になってしまうこと。
また、筋力などの関係で軽く柔らかい靴が好まれるというところがあります。
ですが軽い靴は、スポンジに近い素材を使っているため、靴の底も減りやすすく、へたりやすいのが特徴……。
また、柔らかい素材は靴がゆがみやすく、脱ぎ履きしやすい靴は履き口が広い為、靴の中で足がたくさん動き、足が靴にぶつかって靴が歪みきってしまいます。
つまり……。
日本で好まれる「軽い」「柔らかい」「脱ぎ履きしやすい」靴は、耐久性の低い、へたりやすい靴と言えるため、日本の靴は耐久性がないと考えられてしまっているのです。
一方で、靴と足の先進国ドイツなどで好まれる靴は、適度な重さがあり、耐久性のある材料を使っているものがほとんど。
靴底のゴムもしっかりとした素材のものを使っているため傾きにくく、形状を維持するために全体的に硬く作くられているにも関わらず、曲がるところは曲がりやすく、支えるところは曲がらぬよう工夫されているのが特徴です。
また、日本と違い室内にも靴を履いたまま上がるため、脱ぎ履きがしずらくても大丈夫。
ですので、履き口がすごく狭くできているため、逆に足首をしっかりと固定し、体を支えられる靴になっています。
このことからも、日本とは真逆の靴が好まれていることがよくわかりますよね。
ちなみに、このようにヨーロッパの靴はしっかりしているため、修理して履き続けることも多いのです。
ですので、高くても、自分に合った良い靴を大切に履いていく文化があるのです。
このような文化の違いもあって、日本で購入する靴は耐久性の低いものが多い傾向にあります。
そのため、長い期間同じ靴を履いていると、カウンター(かかと)部分が足を支えられない状態になったり、靴の底が減ってしまったりと知らず知らずのうちに劣化していきやすいもの。
ですので、運動量の多い子どもの頃は特に、半年以上は履かないことをおすすめしています。
たとえ、計測したサイズが半年前と変化がなかったとしても、また、お子さんがその靴を気に入ってしまい「変えたくない!」と言ったとしても、同じサイズで色違いなど工夫をし、新調した方が良いでしょう。
足の計測時にお子さんの足のサイズが変わっていなくても、靴は既にへたっている可能性が高いのです。
もちろん、日本の靴は軽くて柔軟性があるため、ランニング用の靴や、室内競技の靴などで世界中から愛用されているものもあります。
こうしたものは優れた技術の賜物ですので、それはそれとして大切にしていき、子どもの普段の靴に関しては、半年毎に足育先生など専門家に相談して、よりフィットした、より丈夫なくつを購入していくことをおすすめします。
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