小学生・園児が、靴の踵を踏んで歩いているところを見たことがありませんか?
外履きに限らず、学生時代に“上履きのかかとを踏んでいた”なんて方も少なくないと思います。
実際、マンガなどでヤンキーやギャルが靴のかかとを踏んでいる様子を描いていたり、映画などでも日本ではそういった描写がよく描かれていることがあります。
ですが……ハリウッド映画などでヤンキー(向こうの場合不良ですね)がかかとを踏んでいたり、スパイダーマンやバッドマンで有名なマーベラスのコミックで悪役が靴のかかとを踏んで歩いているシーンって、描かれていませんよね?
実はこの”かかとを踏んで歩く”ということは日本独特の習慣ともいえる事で、靴文化のアメリカや『靴で人を見る』と言われているヨーロッパ、特に『靴は足を守るもの』という考えのドイツ等では、かかとを踏んで歩く子どもなんていないのです。
目次
靴は本来、足を保護、守るためものです。
ドイツ等では、靴のマジックテープを付けずに歩いているだけで、「親の顔が見てみたい」と言われるくらい、しつけの一環として靴の履き方に厳しいです。
ましてや靴のかかとを踏んで歩くなんて、あり得ない行為なのです。
最近は日本の教育現場でも靴本来の役割が認知され始め、マナーとしてだけでなく、靴のためにも、自分自身の体のためにも、“靴のかかとを踏まない”という指導がされています。
ちなみに、靴を踏んでいる子どもに「なんで靴のかかとを踏んでしまうの?」と聞いてみたところ、
- 「きちんと履くことが面倒」
- 「靴が小さい」
- 「ちょっとカッコイイから」
など、理由はさまざま。
最近では教育現場では踏み癖がないかチェックし、理由をヒアリングし、踏まないよう指導を行うところも増えています。
ですが、サイズアウトの場合や、靴が傷んでいる場合などは、子どもがかかとを踏んで歩く前に、親が早めに気づいて購入してあげたいものですね
小学校・中学校で履くことの多い、価格帯が2,000円〜3,000円くらいの靴ですと、かかとのカウンターに芯が入っていないことが多いです。
入っていたとしても、段ボールのような弱い芯だったりするため、踏んでしまえば一発でペタッと潰れて形が変わってしまうことも………。
潰れてしまったカウンターは元には戻りません!!
悲しいことにたった一度の『かかと踏み』で靴の命が終わってしまうのです。
靴のかかと部分は足を支えるための大切な箇所。
そこが踏み潰されて形が変わってしまったら、靴の役目がほとんどないと言っても過言ではありません。
『足を守る靴を守るため』にも、かかとを踏むのはNGなのです。
靴のかかとを踏んだまま歩くと「すり足」と呼ばれる歩き方になります。
よく、高齢者がすり足で歩いている所をみることがあると思いますが、あれは筋力が衰えて足が上がらなくなってきてしまっているから。
ですが、かかとを踏んだ靴で歩くと若い人でも足を上げると靴が脱げてしまうから、自然とすり足になってしまいます。
この状態で歩くと若くても足の筋力の低下により、体がとても疲れやすくなってしまいます。
その他、猫背になる・肩こりになるなどの弊害が起こることも……!!
また、肩こりが原因で、脳へ送られる酸素血流量が低下し、それに伴い集中力の低下も起こりうると言われています。
歩き方ひとつで、こんなにも体に害があるのですから、靴のかかとは絶対に踏んではいけないのです。
ちなみに、すり足で歩くと、足は靴の中で前滑りを起こしてしまいます。
前滑りとは、靴の中で足が前に「すべる」「ずれる」状態のことで、足や体に様々な害を及ぼす原因といわれています。
代表的な悪害として、前滑りをした足は、靴の前の壁に指がぶつかり、ぐーっと指に力が入り、足の指が曲がってしまうので、常に緊張状態が続くことになります。
これを一日中続けていると、イライラして、一日の終わりには相当ストレスがたまった状態になってしまいますが、これは人が怒っているときの足の状態と同じなのです。
「かかとを踏んで歩く→前滑りをして足の指が曲がる→緊張状態が続きイライラする」
という悪循環が起こります。
「靴のかかとを踏むことはよくない」と、いくら大人が注意していても、四六時中見ているわけにはいきません。
ましてや、親元から離れて学校に行っている間は、休み時間や授業中にこっそり靴のかかとを踏まれていては、先生でも指導するのが難しくなってしまいます。
そうなってくると、カウンターがしっかりと固く、かかとを踏めない靴が履ければそもそもの解決になるのに……と思っていたところ、最近では工夫された指定靴を取り入れている学校も出てきました!!
その工夫とは、靴のかかと部分に“かかと踏みつけ防止の突起がついている”というものです。
かかとを踏んだとき、この突起がかかとにグッと食い込み、かかとを踏まないよう促します。
カウンター部分は簡単に倒れてしまいますが、踏み癖がつかなくなるという点では、とても良いアイディアだと思います。
元々、指定靴は柔らかい作りが多いため形が崩れやすく、足サイズも個々に合わせられないものとして、足育にとっては良くないものと、私たちもお伝えしてきました。
ですが少しずつ認識が変わっていき、教育現場でも足育に良い靴を……と考えられるようになっていきました。
これから多くの学校で、こういった靴を指定靴としてどんどん取り入れていただきたいですね。
子どもの将来のために、家庭でも、学校でも、かかとを踏む生活を送らないよう、気をつけてみてあげましょう。
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
ぐずり・もたつき・姿勢不良等など。
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