足に起こるトラブル中で辛い症状1位、2位を争うであろう『外反母趾』。
外反母趾とは、足の親指の付け根辺りから指先にかけてが小指側にぐっと曲がり、拇趾の付け根が飛び出してしまう症状。
この出っ張ってしまった部分が靴に当たり、歩くことはもちろん、靴を履くだけでも痛かったり、親指の付け根の皮膚が硬くなってしまったり、さらには親指の可動域が狭くなり、動かしにくくなる、親指がしびれるなどの困った症状に見舞われます。
下駄・草履文化だった日本人が靴を履くようになってから徐々に増え、今では成人の約30%が外反母趾と言われているのですが、痛みに耐えられなくなり手術に至るケースもかなり多く、原因の多くは合わない靴を履いてしまったとによる、足の変形という報告もあります。
そんな外反母趾、男性よりも女性の方が多いのですが、それはなぜでしょうか?
また、外反母趾にならないためにどういった対策をしていったらよいか、改善方法はあるのか?
今回はこうしたことを、足と靴の専門家がお伝えします。
女性も男性も、会社勤めをするようになると、革靴など固い靴を履くことが多くなります。
その際、女性の場合は幅の細いミュールやハイヒールを履くことが多く、男性よりも特に足の状況が悪くなるケースが多いのです。
パンプスは、元々昔パーティーの時専用で履く靴でした。
ヒールが高くなる程靴の中で足が前に滑り、足指の変形や足の骨格(体の土台)の歪みから体の歪みへと影響します。
特に足の指と指の間の付け根にはリンパの流れと血流があり、パンプスを履くことによって足指の間の隙間がなくなり、足爪が白くなり足が冷えてしまいます。
ヒールが高いほど骨盤が傾くので腰痛になってしまうこともあります。
また、外反母趾は女性ホルモンにも大きく関係している部分もあります。
足の成長は、男の子は13~14歳くらいまで、女の子は12~13歳くらいまでをめどに完成されます。
そして、女の子の場合大体小学校5~6年、11歳~12歳頃に初潮を迎えるのですが、その頃になると女性ホルモンの影響によって関節が緩みやすくなってしまいます。
成長しきっていないギリギリな時期に、さらに関節が緩みやすくなるため、その時に足に合わない靴、サンダルやミュールなどといったおしゃれで大人っぽい靴を履いてしまうと、より一層、足の骨格が歪みやすくなってしまうのです。
ですがその頃の年齢は、一番おしゃれしたい時期でもありますね……(苦笑)
我慢させることが難しい場合は、『1日1時間だけ』と決めて、おしゃれな靴を履くのは1時間以内、それ以外は機能性重視の、足に合った靴を履かせることを徹底させるとよいかと思います。
外反母趾になってしまう多くの理由は『自分に合わない靴を履いているから』という事なのですが、社会人になるとどうしても『パンプスではなく運動靴を履く』と主張しきることは難しいですよね。
ですので、社会人以降の方はパンプスやハイヒールを購入する前に、一度靴の専門家がいる靴屋さんへ行き、最低限自分に合った形のパンプスを見つけてもらったり、自分の足に合わせてパンプスの形を少しずつ変えていってもらいましょう。
また、インソールを入れることによって、調整できることもありますので、まずは靴の専門家に相談してみると良いでしょう。
仕方ないと諦めて我慢して、合わない靴を履き続けた結果、歩いたり立ったりすることすらできないくらい痛くなってしまったら本末転倒です!
足の成長段階で足育を受けることなく、外反母趾の傾向が出てしまった方や、成人後、幅の合わない靴を履いて外反母趾になってしまった方など、外反母趾で悩む方は多くいますが、その場合でも諦めず対策をしていきましょう。
あまりに酷い場合は整形外科などで相談し、場合によっては手術となることもありますが、ある程度でしたらCSソックスやインソール、自分に合った靴選びで劇的に状態がよくなる場合もあります。
外反母趾の痛みを我慢していては、辛いのはもちろん、段々と足腰も悪くなってしまうケースも多く、良いことはありません。
できる限り成長段階で正しい足育を心がけ、外反母趾になってしまった場合は、できるだけ早く足の専門家に相談したり、酷い場合は整形外科に相談するようにしましょう。
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
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