足育の記事を数多く出していますが、幾度となく『正しい靴の選び方』について言及させてもらっているかと思います。
その中では
- 靴は30分くらいかけてじっくり選びましょう
- できれば専門家の元で選びましょう
等といったことをお伝えしてきました。
では逆に絶対NGな靴の選び方というのはなんだろう……ということで、今回は、靴の選び方NG集をお伝えしたいと思います。
目次
いつの頃からでしょうか……。
気が付くとよく見られる光景となってしまった、靴屋さんで親御さんが子どもの靴のかかとに指を差し込んで「ゆるい」「きつい」を確認する選び方。
一体なぜ、どうやって、どこから広まってしまったのかわかりませんが、「お父さん、お母さんが子どもが履いている靴のかかとに、人差し指を差し込み、余裕で入るようなら丁度よいサイズ」と思っている方が多いのです。
指一本分の隙間とは、子どもが靴の中敷きに足を置いた際、『子どもの足先と中敷きの先が』『小指一本分の隙間』であることが理想ということであって、けしてかかとに人差し指1本分の隙間があることではありません。
そもそも、靴のかかとに隙間があるのはNG。
正しい靴の履き方「かかとトントン、マジックぎゅ」からもわかるように、かかとはしっかりと靴と合っていた方がよいのです。
これもよく見られる光景なのですが、靴屋さんへ行って「この靴を履いてごらんなさい」と靴を渡し、そして……つま先でトントンさせていること。
このつま先トントンは、日本ならではの『ゲタ文化』の名残。
つま先トントンしてしまうと、当然かかと側に余計な隙間ができてしまい、そこで親御さんがNG1のように人差し指を突っ込んでサイズチェックしてしまうのですが、これでは靴はユルユルです。
また、つま先トントンをさせてしまった場合、つま先をギュとかがめた状態で履いている可能性もあり、「かかとで合わせてみたら実際はキツイ靴を買ってしまった!」ということにもなりかねません。
靴を選ぶとき、履く時は「かかとトントン」を覚えておいてください。
もはやワースト1な選び方。
靴屋さんに子どもを連れずに、親が目測で選んで靴を購入してきてしまうこと。
これはもう、選んでいないと言っても良いでしょう。
「子どもがきつくなってしまった靴が14.5センチだから、15.5センチの物を買えばいいか」
なんて、親御さんが勝手にどこかで買ってきてしまい、それを履かせたとしましょう。
日本の靴は、各メーカーによって、同じサイズであっても微妙に大きさは異なりますし、縦幅だけではなく、横幅のサイズも靴選びには重要となります。
ましてや、合わせずに買った場合、14.5センチがきつくても15.5センチが丁度よいというわけではないので、実際履いてみたら緩かったり、きつかったり、履きにくかったり、歩きにくかったり……と、その子の足にとって問題が生じる可能性が非常に高いのです。
そもそも、「きつくなったから、新しい靴を買う」というのでは、タイミング的にも非常に遅く、実際は、キツイと子どもが訴える前に、足の指の先と靴の先がの隙間が5mmになった時点で新しく靴を買い直さないといけないのです。
今まで当たり前だと思っていた靴の選び方、靴への概念など、実は間違っているもの、古いものであることがほとんどです。
令和になった今、これからの子どもたちの将来のためにも、靴への正しい知識を持って、靴を選んであげるようにしましょう。
3歳以上の子どもは1年で約1cm大きくなると言われていますが、簡単に考えると半年で約0.5cm大きくなると考えられます。
先日、久しぶりにご来店されたお客様が「なかなかお店に行けなかったからとりあえず、0.5cmずつサイズを上げてネットで購入していました。」とおっしゃってました。
その時、子どもさんが履いて来られた靴もネットでつい最近購入したものとの事。
僭越ながらサイズ確認をしたところ、靴サイズが小さく足の指がかがんでしまい軽い変形を起こしてしまっていました。
お母さまはショックを受けられていましたが、実は大人が思うより成長している事はよくあるお話なのです。
子どもさんの足は急に伸びたり、全く伸びなかったりと成長に応じた靴選びが大切です。
決してロボットの様に毎回5ミリサイズが上がるわけではありません。
また、靴のデザインが違えば、同じメーカーでもサイズ感がかわることもあります。
『同じメーカーの靴だから大丈夫』や『1サイズ上げるだけで大丈夫でしょ』『子どもが痛いっていうから大きめの靴で良いかな』はお勧めできない選び方です。
また、たくさん歩いたり運動をしたり、歩く時間が少なかったりするだけでも土踏まずの形成や足の成長がかわります。
プロにサイズ計測をしてもらい、足と靴がフィットしているか確認をしてもらうことがおすすめです。
こちらを言うと、時代錯誤……と言われてしまうかもしれませんが、「お店でサイズを測り、ネットで購入をする」お客様が近年非常に増えています。
これは靴に限らず、色々な業界で増えている残念な現象……。
ネットで購入すれば、『店頭より安く買える』『ポイントがつく』『還元がある』など、様々な利点もあると思います。
もちろん、それも現代のニーズに合った、賢いお買い物方法かもしれません。
しかし、お店で働いているスタッフには人件費がかかっていて、対応している時間、時給が発生しています。
お店のスタッフがお客さまに合う良い靴を販売しようと、丁寧にサイズを測っても、目の前でサイトを開いて探したり、品番を聞いてきたり……。
このように、スタッフのいる前で堂々とケータイで探している親御さんも少なくありません。
これはお店側からしたら気持ちの良いものではないですよね?
「あ、あのお客さま、またサイズを測りに来たな」と思われてもしかたありません。
靴屋さんは、靴を販売している場所です。
サイズを測ることだけが仕事ではないのです。
足育を推奨する者として、皆さまにはかかりつけのお医者さんのように、足のサイズや、特性を把握してくれる“かかりつけの靴屋さん”をつくって欲しいと思います。
これはネット購入ではできない、人と人との繋がりです。
かかりつけの靴屋さんができることにより、靴や足に何か違和感や不安があったとき、相談に乗ってもらえますし、親身になってもらえます。
「お店で測って、ネットで購入」
それでは築くことができない信頼関係を、店頭で築くことによって、「調子はどうですか?」なんて、お店のスタッフに声をかけてもらえるくらい、靴屋さんとの連携ができれば、より良い靴に出会えるのではないのでしょうか。
良い靴に出会うということは、健康な足をいつまでも守ってもらえるということです。
健康な足は将来の自分へのプレゼントです。
子どもの頃から大事にして、将来の自分へ良いプレゼントを渡したいですね。
是非、あなたに合う“かかりつけの靴屋さん”を見つけ、健康な足を守っていきましょう!!
子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。
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