意外と知らない!? 足の幅が広い子どもの相談が多い理由

足幅の広い子

お子さんの足の幅を気にして靴を選んだことはありますか?

足の幅は人それぞれ。

そして、足の幅の違いで、それぞれ靴の選び方も違うのです。

今回は、縦幅ではなく横幅……つまり足の幅が広い子どもの靴の相談が多い事についてお伝えします。

足幅の広い子どもの相談が増えている昨今

足幅
足幅……気にしていますか?

足育先生のオンラインカウンセリングで圧倒的に多いのが、『足の幅の広い子ども』についての相談です。

相談内容としては、『子どもの足に合う靴が見つからない』ということが一番多いのですが、なぜ、足に合う靴が見つけにくいかというと、日本の子ども靴の規格では縦幅は良いとしても横幅を選ぶことが難しいからです。

足と靴の先進国ヨーロッパ・ドイツでは、靴のサイズに対して、「Weit(ヴァイト・広幅)」「Mittel(ミッテル・中間幅)」「Schmal(シュマール・細幅)」の3種類から靴の幅を選ぶ事ができる「WMS」という子ども靴の規格があり、幅だけでなく、踵の幅、つま先の長さ、親指と小指の付け根を結んだ箇所にあるボールジョイントの位置なども規定されています。

この細かな規格のおかげで、ドイツの子どもたちは、自分の足の形に合う靴を選ぶことができ、フィット感が全然違ってくるのです。

一方、そういった細かな規格が日本では存在しないため、足幅の広い子どもは靴選びに苦労してしまいます。

また、足幅が広い子どもの特徴としては、幅の他に、足裏が肉厚で足の脂肪が多い傾向にあります。

日本で作られている靴の中には幅の広い靴は少なく、足と靴のプロの観点から見ても、足幅が広く、肉厚な子どもの足に合う靴を探すことは容易ではありません。

ですので、靴の知識が豊富でない親御さんが足幅の広いお子さんの足に合う靴を探すことは、困難でしょう。

オンラインの相談が増えているのは、このように、『普通の靴屋さんの品揃えでは、足幅と靴の悩みが解決できない』という現れではないでしょうか。

足幅の広い子どもはそもそも靴に足が入らないはず。
幅の狭い靴に無理に足を入れたとしたら、痛いはずですよね。

ある程度の年齢の子どもなら、親御さんがお子さんの足幅の広さに気がついていなかったとしても、お子さん自身が「足が痛い」と訴えることができるでしょう。

ですが、小さなお子さんにはそれは難しいですよね……。

もしかしたら、痛みや不快感を我慢して履き続けているかもしれません。

骨格遺伝で親御さんの足の幅が広いと、お子さんの足の幅も広いこともあります。

ご自身で自分の足の幅が広いなと感じているようなら、お子さんの足もチェックしてみてください。

そして、以前お話しさせていただいた足のタイプでいうと、足幅が広い子どもはスクエア型・エジプト型多いので、自分の足の形を把握するのも、合う靴を探す手助けになります。

「足のタイプって?」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

足の形の話足の形のタイプによって異なる靴の選び方の注意点

足幅の合わない靴を履くことによって起こる弊害

弊害
大人でも合わない靴を履くと痛くなりますよね

3歳までに長さも幅も適合している靴を履かせていると、子どもは靴感覚が自然と身につき、合わない靴を履くと不快感が強くでるため、生涯足に合う靴しか履かなくなると言われています。

しかし、その逆で、合わない靴ばかり履かせていた場合、足(身体の土台)が変形しやすく、足腰や関節に負荷がかかり、成長するに連れ関節の痛みなどに悩むリスクは高くなります。

特に、足の幅の広い子どもが、足幅の狭い靴を無理に履いていた場合、足指は常に圧迫され、浮腫や冷えの原因となります。

足の幅の広い子どもが、幅の狭い靴を履いた場合、常にギューと足が圧迫されてしまうため、足の指が固まり、動かなくなってしまいます。

足の指が使えないということは、土踏まず形成にも大きな影響があります。

さらに、外反母趾ぎみになったり、小指が外側に曲がってしまう『内反小趾(ないはんしょうし)』という変形をおこしてしまう可能性もあるのです。

また、足幅が広い子とは逆に、足の幅が細い子は、靴と足の間に隙間ができてしまうので、靴の中で足が滑ってしまいます。

靴の中の前滑りを止めようと常に力が入り、無駄に筋肉を使いすぎてしまうので、疲れやすく、また、歩く度に、靴の壁に足がぶつかってしまい、変形をおこしてしまうこともあります。

足幅の細い子どもは、どんな靴でも足が入ってしまうので、足の幅が広い子どもよりも靴が足に合っていないことに気づかれにくく、歩き出した瞬間に不快感を感じるため、「だっこだっこー」と歩くことを嫌がるようになることもありますし、ひどい時はこれが原因で夜泣きにつながることもあると言われています。

また、最近オンライン相談で多いなと感じるのは、足幅に合わせるためにサイズをワンサイズからツーサイズ大きい靴を履いているお子さんです。

足幅を合わせることはもちろん大切ですが、だからといってツーサイズも大きい靴を履かせていた場合、つま先には1.2センチ以上の余裕がでてしまいます。

そうなってしまうと、靴の曲がる位置と足の曲がる位置がずれてしまいますし、歩いていると靴の中で足が前滑りを起こします。

このように、足に合わない靴を履くことで、常に足にはストレスがかかった状態になり、疲れやすくなるため、歩くこと・運動することが嫌いになり、本来の運動能力を発揮することもできず、自然と歩行量も減ってしまうでしょう。

歩行量が減ってしまっては、土踏まずの形成もできません。

これが『扁平足』と呼ばれる足の状態になる原因なのです。

扁平足のデメリット扁平足のデメリットは運動だけではなく……

扁平足のデメリットについては上記含む他の記事で沢山書かせていただいてますが、扁平足になってしまうと膝痛・腰痛など関節へのダメージも大きいですが、筋肉量の低下や、体のバランスも悪くなり、姿勢も崩れ、日中に眠くなってしまったり、メンタルが弱いなど、精神面での影響、集中力低下、にもつながります。

お子さんにとってデメリットしかありません。

足は脳から神経が一番遠く感覚が一番鈍いので、足の変形も進行するまで気づかないことが多く、それにより、一生お供する大事な足が簡単に変形してしまいます。

足育先生
足育先生

100歳まで使い切らなければならない、一生の足がもったいないことに……。

こうなる前に、“足に合う靴を選択する”という足育の根本を守ってもらいたいと足育先生は思っています。

足幅の広い子どもの指定靴問題

指定靴
指定靴問題は常々書かせてもらっています

足幅に注目したときにもう一つ問題となるのが『上履き』。

学校によっては体育館で履く靴も指定靴だったりしますよね。

すでに『指定靴問題』として他の記事に書かせてもらっていますが……。

新学期に見直したい内履き・外履きの選ぶポイントとは?

指定靴の問題といえば、足幅の広い子ども・足幅の狭い子どももいるのに、上履きは縦幅のみを見て作られているため、個々の子どもたちの足にあった形ではないということです。

足を無理矢理入れている子も多々いるのです。

とはいえ、指定靴として決まっている以上、今はまだ、履く側が対処しなくてはいけませんね。

普段からしっかり歩かせたり、スポーツをして足の変形を予防することも大切ですが、足の幅の広い子には、靴屋さんに靴の幅を伸ばす機械がありますので、それで横サイズを広げてもらいましょう。

靴の幅を広げる
靴の幅を広げる機械がある専門店もあります

指定靴の素材で、幅を伸ばせない場合もありますし、耐久性が無い指定靴ですと、伸ばすことよって壊れやすくなってしまう場合もあります。

ですので、理想としては、購入してからではなく、購入する前に相談していただいたほうが確実です。

また、幅伸ばしは、無料サービスでおこなってくれるところが多いですが、有料の場合もありますので、各店舗に問い合わせてみるのがおすすめ。

足という土台を変形させないために、十分な歩行と、『上履きをその子の足に合った状態にする』ということを心がけてください。

足幅が広い子どもの靴の選び方は?

靴選び

足のより良い成長の為、足幅が広くても、無理に合わない靴を履かず、足に合う靴を履くべきであることがわかっていただけたかと思います。

足幅が広い場合、足と靴の専門家がいる靴屋さんで足をみてもらい、フィティングをして靴を選ぶ方法が一番よいのですが、そういった専門家がいる靴屋さんが近くに無い場合はどのように靴を選べば良いのでしょうか。

因みに……足育先生が親御さんでもできる簡単な方法を教えます!

数はとても少ないですが、一般的な靴屋さんでも、幅が広めに作られている靴の取り扱いはあります。

ですので……

  • まずはお店で『幅が広そうだな』と思う靴を集め、中敷きを靴から抜きましょう。
  • そして抜いた中敷きを全て重ねてみてください。
  • 重ねた時に一番幅が広い中敷きを選びましょう。
  • そしてその中敷きの上に足をのせます
    (この時、ちゃんと立ち上がって中敷きに足を乗せることが大切です)
  • 中敷きの上に立ち、幅が2ミリほどはみ出ても大丈夫ですが、親指小指がしっかり中敷きにおさまっていることを確認しましょう。
  • そして、つま先には1〜1.2センチの余裕があるものを選びます。

この条件に合う中敷きが、お子さんの足に合う靴と言えるでしょう。

インソールを目安に
参考

このように、何点かポイントを押さえて靴選びをすれば、足幅の広いお子さんにも合う靴が選べます。

ただ、やはり一般的な靴屋さんですと、どのお店にも幅の広い靴の取り扱いは少ないです。

何店舗も回ってみて、より良い靴を見つけることをオススメします。

信頼できる“かかりつけの靴屋さん”を見つけることが、足に合う靴を履き続ける近道かもしれません。

足幅が広いことのメリット

メリット

こうして書いていると「足幅の広いことは悪いこと」のように見えてしまうかもしれません。

ですが、足の幅が広いということは、「安定感がある」というメリットがあります。

足が大きく幅も広い場合、体を支える表面積が大きいので、バランスを取りやすく、踏ん張りがきく上に、誰よりも疲れないし誰よりも足が強く、姿勢が良くなるのです。

でも、それが合わない靴によって、その子の本来持つポテンシャル・機能を全く生かせていない場合が多く、その為、足幅が広い子どもは悩んでしまいます。

靴の選び方次第で、その子の歩き方・姿勢、精神面にも影響するため、足幅の広い子どもは靴選びが本当に大変ですが、足に合う靴を見つけられたら誰よりもいい足にある可能性があります。

ですので、身体の一部だと思って靴選びをしてもらいたいです。

もし、合う靴を探すのに困難が生じたら、オンラインでも可能ですので、足と靴の専門家である私たちにお気軽に相談してください。

『足という土台から始まる』子どもの成長・発達を促す足育の専門家

子どもの成長・発達には、土台となる『足』の正しい成長『足育』が欠かせません。

ぐずり・もたつき・姿勢不良等など。
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