健康のバロメーターと呼ばれる『爪』ですが、普段、どの程度お子さんの爪を気にかけて見ていますか?
今回は、『スプーンネイル(匙状爪:さじじょうつめ)』と呼ばれる足指の爪が反り返ってしまう症状と原因。
そして、そうならないために普段からできる正しい爪の切り方、対策のお話です。
スプーンネイルとは
爪がスプーンのように反り返っている状態をスプーンネイル(匙状爪:さじじょうつめ)と言います。
爪の中央部分が陥没して、爪の先や、爪の両側が上向きに反り返ってしまう病気の一種なのですが、スプーンネイルになってしまう原因はさまざまで、子どもから大人までなる可能性はあります。
爪が反り返ってしまう他に、見た目としては健康な爪に比べ、厚みが出やすかったり、茶色やくすんだ灰色などに変色しやすかったりします。
スプーンネイルは痛みを感じにくく、悪化させてしまうケースもありますので、早めに気づいて対応していく事が大切ですね。
原因については後ほど詳しく説明させていただきますが、よくある相談のひとつで、親御さんが1〜3才の小さなお子さんを連れ、「子どもの爪が反り返っているのでみてください」と、いらっしゃることがあります。
1〜3才ころの子どもの爪は、まだ薄くて柔らかい状態ですので、どうしても反りやすくなる傾向があります。
大半の場合、その時期の爪の反り返りは一過性のもので、成長と共に正常な爪になります。
ですので、そこまで心配はしなくても大丈夫ですが、親としては、お子さんの爪が反り返っていたらビックリしてしまいますよね。
確かに、子どもの手足の爪の割れや変形がないかをチェックしてあげることは、今後の足育にとって、とても大切ですので、親御さんの負担にならない程度で大丈夫です、時々気にして見るようにしてあげましょう。
爪が反り返る原因
スプーンネイルになる原因はさまざまですが、大きく3つに分けられます。
①鉄分不足や内臓疾患
健康のバロメーターとも呼ばれる“爪”。
体の中の栄養素が不足していたり、何らかの内臓疾患があったりする場合もスプーンネイルになる可能性があります。
丈夫な爪をつくる栄養素はカルシウム・ケラチンなどありますが、爪をつくる栄養素の中でも「鉄分」の不足は爪が弱くなってしまう大きな原因です。
めまいや顔面蒼白などがある鉄欠乏性貧血の方は、爪が弱くスプーンネイルになりやすいと言われています。
鉄分不足や内臓疾患の場合、病院での診察が必要となりますので、早めの受診をオススメします。
②力仕事や、指先に負荷がかかるスポーツをしている
普段から重い荷物を運んだり、指や爪に圧がかかるような仕事をしていたりする人や、素手や素足で長期的に指先に負荷がかかるスポーツをしている人などはスプーンネイルになりやすいので要注意です。
例えば、農業従事者や、マッサージ師など、普段から慢性的に指の腹に圧がかかる仕事は、爪への影響が大きいと言われています。
③間違った爪の切り方をしている
日本は爪切りの指導をする場がないので、衛生面の問題で“深爪が正しい”と思われがちですが、深爪は絶対にNGです!
深爪をして爪の先端の皮膚が余ってしまったときに、指の腹に圧がかかると、爪が指の腹にかかる力に耐えきれず反ってしまうのです。
過剰な圧で爪を反らせてしまう……と表現したらわかりやすいでしょうか。
特に足の深爪は、スプーンネイルだけでなく、爪の端が曲がって食い込んでしまう陥入爪(かんにゅうそう)や、爪全体が曲がっている巻き爪を引き起こす可能性もあります。
このような爪の変形があると、爪の端が皮膚を傷つけ、ばい菌が入り、化膿してしまい、痛みを伴うこともあるので、日頃から爪の切り方には注意しましょう。
スプーンネイルになる原因は大きくこの3点ですが、先ほど少し触れたとおり、1〜3才ころの子どもの爪は、まだ薄くて弱い状態なので、反りやすいです。
特に赤ちゃんは日常的にハイハイをしたり、物をぎゅっと握ったりしますよね。
つかまり立ちや、つま先立ちもしますので、手の爪だけでなく、足の爪にも常に圧力がかかっているので、スプーンネイルになりやすいと言えます。
しかし、子どもの成長過程でちゃんとした靴選びをして、足の指がしっかり使えるようになれば正常な爪の形に戻るので心配いらないですよ。
予備知識として入れておいていただきたいことは、スプーンネイルに加え、顔色が悪かったり、元気が無くぐったりしている場合、爪の色が白っぽい場合、このような症状が出たときは栄養不足(鉄分不足)による貧血などの可能性もあります。
また、スプーンネイルは通常であれば痛みを伴いませんが、赤く腫れていたり、痛がっていたりする場合、皮膚が傷つき炎症を起こしている可能性もあります。
こういった症状がみられる場合は、小児科・皮膚科へ早めの受診をしましょう。
足の爪の正しい切り方
スプーンネイルだけでなく、陥入爪や巻き爪など爪のトラブルを起こさないように、正しい爪の切り方を覚えましょう。
足の爪の正しい切り方は……。
- 皮膚の先端から2ミリ後退したぐらいに、四角く切ります。
爪を指の先端と同じ高さにして、横方向にまっすぐ切ると良いでしょう。 - そして、爪の角を皮膚から出ないように、やすりで少し丸く削れば完成です。
両端を深く切り込みすぎないようにすることがとても大切です。
刃の先が丸くなっている安全なハサミで子どもの爪を切る方が多いですが、子ども専用のニッパータイプの爪切りのほうが実は切りやすく、足育先生としてはオススメです。
ただ、「子どもが爪を切っている間に動いてしまうので、ニッパータイプは怖い」という声もよく聞きます。
確かに、「動かないでね」を理解できるまでの爪切りは大変ですよね。
寝ている間にそっと切ったり、色々な工夫をされている親御さんも多いと思います。
通常、足の爪は1ヶ月に1〜2ミリしか伸びないので、ニッパータイプのハサミを使うことが怖い場合は、子どもの皮膚を傷つけないヤスリで爪の形を整えるだけでも十分です。
正しい爪の切り方をすることで、指の腹から爪に加わる力が均一になるので、爪の変形は起こりにくくなり、健康な足指になるでしょう。
爪ヤスリとネイルニッパー
最近は、インターネットやベビー用品売り場でもたくさんの爪ヤスリ・ネイルニッパーが売られていますが、どれが使いやすいのか、子どもの肌を傷つけにくいのか、使ってみないとわかりませんよね。
そこで、足育先生のオススメの爪ヤスリとネイルニッパーを紹介させていただきます。
足育先生が今までみてきた中で、切りやすく爪や子どもの肌にも良いと思うものは、株式会社マルト長谷川工作所のガラス製爪ヤスリガラスファイルとネイルニッパー天使の爪切りです。
こちらのガラス製の爪ヤスリは肌を傷つけず、子どもの小さな指にも安心して使っていただけますし、特殊加工により、爪の断面をなめらかに整えることができます。
水洗いができるところも、衛生的に良いですね。
また、ネイルニッパーは親御さんの意見も取り入れ改良されたもので、ハンドルは滑らず持ちやすく、爪に衝撃を与えず、軽い力で切ることができます。
子どもの柔らかな薄い爪だけでなく、年齢を重ねた分厚い爪でも安心して使う事ができますので、医療や介護の現場でも多く使われています。
子どもの爪が切りづらかったり、肌を傷つけてしまいそうで怖いな……等、もし悩んでいることがあれば、マルト長谷川工作所の爪ヤスリやネイルニッパーを使ってみてはいかがでしょうか。
日頃からできる対策
スプーンネイルは内臓疾患でない場合、習慣や癖の積み重ねで起きると言っても過言ではありません。
そのため、先ほど紹介したように、爪の切り方など、普段から予防・対策をしておけば、ある程度は防げるでしょう。
爪の切り方以外に、どんなことに気をつければ良いのか、紹介します。
①靴のマジックはしっかりしめる。
靴の中で足が前滑りをして、足先が靴にあたり、足爪が割れないようにしましょう。
②つま先で地面をトントンする癖を直す。
正しく爪を切っても、地面に当ててしまっては爪が割れてしまいます。
③鉄分の多い食材を積極的にとる。
スプーンネイルに加え、鉄欠乏性貧血の症状がある場合は、意識的に鉄分をとりましょう。
もし爪が割れてしまっても、“切って・伸ばして・ヤスリで整える”これを根気強く続け、爪を残す努力をしましょう。
ほんの少しのことですが、正しく靴を履き、正しく爪を切り、これらのことに気をつけた生活を送れば、良い爪はちゃんと生えてくれます。
というわけで、今回はスプーンネイルについてお話しさせていただきましたが、スプーンネイルに限らず、足のこと・爪のことに悩んだら、お気軽にご相談ください。
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