知ってましたか? 靴のお下がりがダメな理由

靴のお下がり

しばしば「お兄ちゃんにこの靴を買ったけど、もう小さくなったから下の子に履かせるわ」という言葉や、「どうせすぐ大きくなるんだから、お古の靴で十分」といった言葉を耳にする事があります。

実際、私たちが子どもの頃、そうしてお下がりの靴をもらった事はありませんか?

また、自分が履けなくなってしまった靴を親があげたりしてことを見たことがあるのではないでしょうか?

ですが靴には『履き癖』というものがあります。

その履き癖はたった1時間履いただけでも靴に記憶され、お下がりとしてもらった子の足育に悪影響を及ぼすのです!!

履き癖とは?

履き癖のついた靴
こうして靴底が減るのを見てもクセがわかります

人というのは一人ひとり骨格が異なるのと同じく、歩き方や走り方、体重のかけ方やバランスのとり方が異なります。

それは、親子や兄弟であっても、骨格は異なっていきます。

ですので、その体を支える靴もその人の癖によって、広がり方や減り方等が異なり、たった1時間履いて歩いた靴でも、その持ち主の癖を反映させてしまうのです。

特に日本の靴は軽くて、履き口の大きい靴がほとんどですので、強度的に弱く、とても癖がつきやすいのです。

ヨーロッパの靴の場合……

因みにヨーロッパの靴の場合、アッパー(ソール以外の足の甲などを覆う部分)が強いため、ソール(靴底)を直してお下がりにすることもあります。

日本よりも靴そのもののお値段が高いという点も、より丈夫で修理して使うという感覚になる理由かもしれません

なぜお下がり靴がダメなの?

このように、履き癖というものや、日本の靴は履き癖がつきやすいという理由はわかったかと思いますが、ではなぜ履き癖がついた靴を他の子に履かせてはいけないのかというと……。

私たち人間の足は、例え親兄弟であっても、形や大きさはそれぞれ異なります。

子どもの足は発達途上でとても柔らかく、外部からの刺激で容易くその成長を阻害されて、足の形や歩行などに影響を及ぼしてしまうのです。

また、癖のついた靴は一見キレイに見えても、ソール部分がすり減っていたりして、歩き方が引きずられてしまいます。

例えば内股の子独特のすり減り方をしていた場合、その靴を履かされた子も、内股の歩き方をしてしまうこともあるかもしれません。

もし、せっかく綺麗な骨格、足の成長、歩き方をしていた子に、癖のついた靴を履かせたら……?

お下がりの靴を履いた子どもは……?

そもそも、兄弟であっても足の形や大きさが異なるため、お古の靴を履かせた場合、幅が狭かったり広かったりといった問題が生じやすいのですが、さらに前の履いていた人の癖が移ってしまいます。

つまり、靴がすり減っていたり傾いていた場合、お下がりで履いた子は、前の子の履き癖に引きずられてしまう事が多々あるのです。

引きずられてしまうと足が遅くなる、転びやすくなるといった歩行に関する問題が生じます。

転んだ子
せっかくキレイに歩けていたのに……

あるケースですと、体幹、つまり体の軸がずれてしまい、前日までに乗れていた自転車に乗れなくなってしまった子がいた……という事もありました。

さらに、「お下がりの靴を履かせたらどうなるのかな?」と、お兄ちゃんの靴を弟に履かせてみたところ、「歩き方がわからなくなっちゃった」とヨタヨタしてしまうようになってしまった……なんていう、驚きの話もあります。

足育先生
足育先生

本当はこんな実験はしてはダメですよ~

私たちが地球に立っているのは脚のお陰? それとも靴?

足
足と地球の間には靴があります!!

このように、自分の履き癖とは違う靴を履いた場合、転びやすくなる、走るのが遅くなるといった問題の他に、体幹がズレて歩きにくくなったり、下手をすると内股になったり、がに股になったりと色々な弊害が起こる可能性があるのです。

地球に立っているのは私たちの脚……と勘違いしてしまいますが、実は、地球と私たちの体を支えてくれているのは靴なのです。

そんな重要な役目を背負っている靴に自分以外の癖をつけてしまっては、地球に真っ直ぐ立つことも難しくなってしまいます。

たった1時間。

されど1時間。

もったいない……と思ってしまうかもしれませんが、たとえ1時間でも履いてしまったのなら、その靴にはもうその子の癖がついています。

下の子や、他の子にお下がりにして、履かせたりしないようにしましょう!!

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